静かな退職とは何か?
静かな退職(Quiet Quitting)とは、実際に退職するわけではなく、仕事への熱意を持たずに必要最低限の業務だけをこなす働き方のことを指します。
2022年にキャリアコーチのブライアン・クリーリー氏がTikTokで使った言葉(Quiet Quitting)がアメリカで流行し、若者世代を中心に世界的に広がっています。
静かな退職が広まった原因
・ワークライフバランスを重視した価値観の変化
Z世代と呼ばれる若い世代を中心に、ワークライフバランスやタイパを重視し、仕事だけでなくプライベートも充実させたいと考える人が増えている。
・評価基準や業務範囲の曖昧さ
一生懸命仕事をしても、仕事量が増えて大変な思いをするだけで、給料は上がらなかったり、 いまだに年功序列で昇進や昇格が決められていたりするため「頑張っても損をするだけ」 「努力しても報われない」と考え、仕事に対する意欲が薄れている者もいる。
・ロールモデルの不在
働き方が変わりゆく中、自分にとって手本となるロールモデルが見つかりにくくなっているのも、 「静かな退職」が広がる一つの要因と言える。目指すべき存在が見つからず、モチベーションも高まらず、ただ一日一日を漫然と過ごすことだけになってしまっている。
・人間関係や労働環境への不満やストレス
コロナ渦で急激に変わったワークスタイルの変化で、在宅勤務が可能な業務とそうでない業務によって働き方の柔軟性に差が生まれたり、テレワークなどで組織とのつながりが感じられなくなったり、そういった不安やストレスからエンゲージメントが下がり、静かな退職を選択する原因になっている。
静かな退職を選ぶ人の特徴や兆候
- 出世欲がない
- 今のままで満足している
- ストレスなく仕事を続けたいと思っている
- 仕事とプライベートのバランスを保ちたい
- 期待されたくない
- 求められている以上の仕事はしない
- ミーティングや会議で発言しない
- 最低限の会話しかせず、業務外のことをあまり話さない
- 常に指示待ちの姿勢
- 毎日定時に退社
- 時間外に仕事のメッセージへの返信をしない
- 飲み会や社外イベントに参加しない
- 業務範囲外の仕事やプロジェクトへの参加は理由をつけて断る
30代でも増えている「静かな退職」という働き方!
30代の「静かな退職」の特徴
30代の特徴として、プライベートでは結婚や出産などの大きなライフイベントが起きやすい
年代であり、ワークライフバランスを重視する傾向にあります。
また仕事においては、職場で中間的な位置となり、新人の教育や上司から重要なプロジェクトを
任されたりと仕事上でのプレッシャーが増えていきます。
そうした中、ワークライフバランスが乱れたり、会社の上層部とのやり取りも増えることで
会社や上司に不満や不信感を抱くようになり「静かな退職」を選択する方が増えています。
「静かな退職」という働き方
今は多様性の時代です。
本業に力を入れて昇進や昇格を目指したり、
ご自身の生活を考えワークライフバランスを重視したり、
キャリアアップや収入を増やすために、副業や転職活動・資産運用をしたり
人によって働き方は様々です。
「静かな退職」という働き方は、自分に合った働き方や生き方を模索、検討し
実現するためのより良い方法なのだと思います。